柳宗理

回転させて防止する 柳宗理のステンレス片手鍋

柳宗理 片手鍋 アイキャッチ
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柳宗理のステンレス片手鍋を紹介します。

この鍋の最大の特徴は、蓋を回転させることにより、鍋と蓋との間に隙間ができることです。
そのことで、吹きこぼれを防ぐことができます。

また、左右両方に注ぎ口があり、右利き、左利きどちらの方でも使いやすくできています。

ハンドルも握りやすい形状で、とても扱いやすいです。

それでは、柳宗理のステンレス片手鍋をレビューしていきます。

回転すると隙間ができる

あなたは、鍋で煮物や味噌汁をつくるとき、
火にかけすぎて沸騰してしまい、吹きこぼれてしまうことってありませんか?

いろいろな鍋の蓋を見てみると、蓋に空気穴が開いているものは、ほとんどありません。
一方、ほとんどのやかんの蓋には、穴が開いています。

ただ、やかんの蓋の穴は、吹きこぼれ防止のためだけでなく、沸いたお湯やお茶をスムーズに注ぐために必要です。

逆に、鍋は、中の密閉性を保つために、穴は不要であることのほうが多いです。
当然、早くお湯を沸かすためには、蓋は必要です。

例えば、ほうれん草などを湯がくために、鍋を火にかけるとき、
そこまでの密閉性はいりませんが、逆に吹きこぼれを防ぎたい。

そんなとき、柳宗理の片手鍋が、役立ちます。

この鍋もやはり蓋に穴は開いていません。
しかし、下の写真の通り、蓋を回転させることによって、鍋と蓋との間に隙間ができます。
鍋と蓋の隙間なし

鍋と蓋の隙間小

鍋と蓋の隙間大
そのことにより、吹きこぼれを防ぐことができます。

さらに、この隙間は、食材を湯がいたあとにお湯を捨てたり、煮物の際に、煮汁を捨てたりするときに便利です。

鍋の蓋をしたまま水切り

回転具合によって、隙間の大きさを変えることができますので、
お湯をいっきに捨てたり、隙間を小さくして煮汁を調整しながら捨てることができます。

この機能は、この鍋にしかないのではないでしょうか。
(パスタ鍋の中には、蓋の1/3くらいの部分に無数の穴が開いているものもあります。
パスタが茹で上がったら、蓋をしたまま傾けて、湯きりができます。
ただ、この機能は、上記のものとは違います。)

左右についてる注ぎ口により

柳宗理の片手鍋には、大きめの注ぎ口が左右についています。

そのことから、この鍋は、雪平鍋をベースに改良されたことが伺えます。
(雪平鍋も注ぎ口が左右についています)

左右に注ぎ口があると何かと便利です。
当然、右利きと左利き両方の方に使い易い、ということもあります。

それでも、例えば、右利きの方が使う場合も左右両方に注ぎ口があることに利点があります。

右利きの方は、食材を湯がいたあと、お湯を捨てる際は、右手で鍋を持って捨てるのではないでしょうか。

また、味噌汁をお椀によそうときは、右手にレードルを持って、まず具と汁をおたまでお椀によそい
左手で鍋を持って、残りの汁を注ぐことはありませんか?
わざわざレードルを置いて、右手で鍋を持つこともないと思います。

注ぎ口の角度がポイント

さらに、工夫されている点は、鍋を真上から見れば分かります。

注ぎ口が、前方(ハンドルと反対側)に角度をつけて配置されています。
約10度(ハンドルとの角度は約100度)になっています。

片手鍋真上から

話は変わりますが、急須は、取っ手と注ぎ口が90度以下になっていたほうが注ぎやすいといわれています。
おおむね5度~10度。(取っ手との角度は、85度~80度)

この鍋と反対じゃないかと思われるかもしれませんが、これは、注ぎ方によるものだと思います。

急須は、注ぐときに湯飲みを急須より手前(注ぐ人側)に置いて、注ぎ口がこちら側を向いて注ぐのが一般的だと思います。

鍋は、横に置いたお椀に注ぎます。
そのとき、普通に持つと鍋が少し内側に傾きます。
そのため、少し角度が付いていたほうが注ぎやすいのではないでしょうか。

どちらにしても、注ぎ口と取っ手は90度よりも少し角度が付いていたほうがよさそうです。

しかし、この形状ですと成型した際、縁が外側に反ってしまい開発に苦労したようです。

結局、縁にツバを付けることで解決しました。
また、そのことで、注ぎ口の水切れもよくなりました。

しかし、この鍋も開発当初は、注ぎ口とグリップは90度だったようです。
素材のことも含めて、次の項目で詳細を説明していきます。

最初は、アルミでした。

この片手鍋の前身は、1963年にはすでに開発されていました。

当時は、三晃金属工業株式会社からキューピーアルミというブランド?で売られていたようです。
(現存する三晃金属工業株式会社とは、別の会社のようです。)

素材は、アルミニウム。

形状は、パッと見、今のものとそれほど変わりませんが、前述の通り、注ぎ口がハンドルに対して垂直になっています。

他にも、ハンドルや鍋本体の形状、蓋のつまみも微妙に違います。

現在のステンレス片手鍋の形になったのは、1997年で、日本洋食器株式会社でつくられています。

ステンレスは、注意が必要

この片手鍋は、雪平鍋をベースにしているため、開発当初は、アルミニウム素材であったことは理解できます。

ただ、今の形状になる際に、ステンレスになった経緯はわかりません。

ステンレスという素材自体は、丈夫でさびないという利点がありますが、火にかけるキッチングッズとしては、熱伝導率がひくく扱いづらいものになります。

そのため、多くのステンレス製の鍋は、熱伝導率のいいアルミやアルミ合金を何層も挟むことによって欠点を補っています。

一方、この鍋は、ステンレスだけですので、注意が必要です。
茹でたり、沸かしたりするだけなら問題ありませんが、汁が少ない煮物などは、焦げやすいので火加減に気をつけないといけません。

握りやすいハンドル形状

ハンドルは、本体側が少し細くなっていて、緩やかに太くなっていきます。

鍋のグリップ形状

細い部分に人差し指を当てて握ると、ハンドル全体が手になじみます。

ハンドルをフェノール樹脂で覆っているので、触り心地も良いです。

また、ハンドルの下側を見ると付け根に半円の穴があります。

鍋のグリップ裏の穴
洗う際、その穴から水が入り込みます。
逆さまで水切りをして、もとに戻すとそこから水が垂れてきます。

その穴は、おそらくグリップと本体をつなぐ円錐状の金具の空気穴だと思います。
この円錐状の金具は、本体側もグリップ側も精度よく密着しているため、加熱した際、膨張した空気の逃げ道が必要です。
構造上、必要なものなので、注意していただければと思います。

ハンドルは交換可能

ハンドルは先端からボルトで固定されています。(下の写真参照)

このボルトを緩めれば、簡単に取りはずすことができます。
柳宗理 片手鍋ネジ

万が一、破損したり、焦がしてしまったらハンドルだけの交換も可能です。
(ハンドルだけではなく、蓋も単品で購入可能)

ハンドルをはずした状態が、下の写真(写真はミルクパン)です。

鍋のグリップをはずした写真

詳細は、柳宗理の商品の販売代理店である佐藤商事が運営している
柳宗理サポートサイトを参照してください。

レードル、パンチングストレーナーとセットで使えば

やはり、同じシリーズ、ブランド、メーカー、デザイナーの商品で、そろえて使うことによって利点があることは多いようです。

柳宗理のパンチングストレーナー

まずは、この鍋と柳宗理のパンチングストレーナー(ざる)です。
詳細は、「無駄をそぎ落とした機能美 柳宗理のボウル・ストレーナー」をご参照ください。
直径が19cmのタイプが、この鍋にスッポリ収まります。

鍋のお湯が沸いたら、食材が入ったパンチングストレーナーごと鍋に入れます。
茹で上がったら、パンチングストレーナーごと取り出せば、湯きりができます。

私は、かつおだしをとる際に、鰹節をパンチングストレーナーに入れて煮出します。
パンチングストレーナーに入れないほうが、しっかり出汁がとれるように思いますが、こす作業が楽なので、こうしています。

また、お湯を少なめにすれば、蒸すこともできます。
パンチングストレーナーが、鍋の底から少し浮いているので、それよりお湯を少なくすればいいです。

蒸す食材で、おすすめなのがブロッコリーです。

ブロッコリーは、とても栄養価が高い野菜です。
しかし、茹でると水溶性ビタミンが、流れ出てしまいます。

ただ、調べてみたら、細かくカットしすぎないで、1~2分くらいの短い時間で茹でて、あとは余熱で火を通せば、それほど栄養素が失われないようです。

それでも蒸せば、栄養素は流れ出ません。
ブロッコリーを蒸す1

蒸し時間があまり長くないので、お湯は、これくらい入れればいいです。
これ以上入れると、パンチングストレーナーにお湯が浸かってしまいます。

ブロッコリーを蒸す2

ブロッコリーを蒸す3

ブロッコリーを蒸す4

パンチングストレーナーを挟んでいるので、鍋と蓋にちょうどいい隙間ができます。

ブロッコリーを蒸す5
10分ほど蒸して火を止めます。あとは余熱で火を通します。(蒸し時間は、お好みで)

私は、シチューをつくる際は、このように別で蒸しておいて、あとからのせます。
茹で過ぎるとグチャグチャになってしまうし、あとから乗せたほうがきれいです。
ブロッコリーがのったシチュー

柳宗理のレードル

この鍋の底は、側面にかけて大きめのカーブを描いて、柳宗理のレードルにぴったりフィットします。
(「美しさには理由があった、柳宗理のレードル」をご参照ください)

このことで、最後までしっかりすくうことができます。

柳宗理 鍋底にレードルがぴったりフィット

ミルクパンや一回り大きいサイズも

柳宗理のステンレス片手鍋は、標準サイズが18cm(本体の直径)です。
私が、使っているのはこのタイプとミルクパンです。

このほかに22cmタイプがあります。

ミルクパンは、本体の直径が16cmで、16cmのパンチングストレーナーが、スッポリ収まります。

ミルクはもちろん、少量のお湯を沸かすのに便利です。
沸いたお湯をポットなどに移すときも、注ぎ口が大きいので安心です。
ただ、沸騰直後ですと、鍋の側面が熱いため、お湯がパチパチと飛び跳ねます。
そんなときは、隙間を空けた状態で蓋をして注げば、飛び跳ねた熱湯がかかりません。

また、一般的なミルクパンよりも一回り大きいので、二人分の煮物や味噌汁もできます。

22cmタイプは、深さが浅い外輪(そとわ)鍋タイプです。

カレイの煮付けなどをつくるときに重宝すると思います。

煮物の際は、焦げ付きやすいのでお気をつけください。

まとめ

・蓋を回転させることによって、鍋と蓋との間に隙間ができるので、吹きこぼれを防止できます。

・ハンドルは、その形状と素材から持った手にしっくりなじみます。また、ハンドルは交換可能です。
 (蓋も単品で購入できます。)

・注ぎ口が左右についているので、利き手の左右にかかわらず使いやすいです。

・注ぎ口が、前方(ハンドルと反対側)に角度をつけて配置されているので注ぎやすいです。

・ステンレスは、熱伝導率が低く火にかけるキッチングッズとしては、扱いにくい場合があります。
 茹でたり、沸かしたりするだけなら問題ありませんが、汁が少ない煮物などは、焦げやすいので火加減に気をつけないといけません。

・柳宗理デザインのボウルやパンチングストレーナーとセットで使うと、便利です。

・標準の18cm(鍋の直径)タイプとミルクパン(鍋の直径16cm)と深さが浅い22cm(鍋の直径)タイプがあります。

 

ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
わからないことがあれば、お気軽にお問い合わせください。
それでは、「回転させて防止する 柳宗理の片手鍋」のレビューでした。

 

ご購入を検討されている方へ

このステンレス片手鍋は、鍋の直径が16cmタイプ(ミルクパン)と18cmタイプと22cmタイプがあります。
それぞれにつや消し仕様とミラー仕様があります。

また、ミルクパンは蓋なし仕様のものもありますし、すべてIH未対応ですのでご注意ください。

ステンレス片手鍋 18cm つや消し

ステンレス片手鍋 22cm つや消し

 

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